第11回 脂質異常症治療薬と糖尿病網膜症リスク | 船橋市の内科・循環器内科なら、船橋駅前内科クリニック|女医

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第11回 脂質異常症治療薬と糖尿病網膜症リスク

2019年01月9日

糖尿病性細小血管症に対する高血糖や高血圧の影響とその治療効果は広く確認されていますが、脂質異常症に関しては不明点がまだ多く残っています。特にフィブラート系薬が糖尿病網膜症の進展抑制に有効である可能性が示されています2-4)が、確固たるレベルの高いエビデンスはありません。その効果は脂質値とは無関係で、機序も未解明です。今回は日本人を対象とした「リアルワールドデータ」を、米国内科学会誌(Annals of Internal Medicine)のジャーナルクラブ形式に倣って検証してみましょう。

エビデンスの批判的吟味
[Step 1] クリニカルクエスチョン
  • P(患者):糖尿病治療薬服用中の日本人2型糖尿病患者(総8万4808例、平均年齢56歳、男性70%、網膜症合併19%)
  • I(条件):脂質降下薬を約1年以上前から服用(網膜症非合併者中28%、網膜症合併者中33%)
  • C(比較対照):脂質降下薬非服用
  • O(アウトカム):網膜症発症(網膜症非合併者)・網膜症治療の各リスクに差があるか?
[Step2] 妥当性のチェック
  • デザイン: 後ろ向きコホート研究(診療報酬データベースをpropensity-scoreマッチング解析。HbA1c、脂質値、スタチン・フィブラート系薬使用者数は不明)
  • 盲検化:なし
  • 追跡期間:3年
[Step3] 信頼性のチェック
  • 脂質降下薬服用者の方が網膜症発症・網膜症治療リスクがいずれも有意に低かった。
  • 感度分析では、網膜症発症の有意なリスク低下はスタチン・フィブラート系薬両者に関して認められたが、治療(光凝固術、硝子体切除術)の有意なリスク低下はスタチンでのみ認めた。
表. 一次エンドポイントの結果
[Step4] 臨床的意義の評価
  • 脂質降下薬は糖尿病網膜症発症・進展のリスクを低下させる可能性が示された。
私の視点

本研究は、先行ランダム化比較試験(RCT)で示唆されていた脂質降下薬の付加効果の実臨床での適応性(外的妥当性)を支持する結果でした。解析に際してはpropensity-scoreマッチングで擬似RCT化を図っており、治療薬効果を過大評価しないためにベースラインで脂質降下薬服用期間が1年未満の人が除外されています。確かに解析上は、妥当性が比較的高い印象です。本文では「脂質降下薬は糖尿病網膜症もリスクを低下させた」と、あたかも介入研究結果かのように明言していますが、果たしてこのデータをもとに因果関係や治療効果を実証できるのでしょうか?

そのためには種々の条件をクリアする必要があります(推薦図書参照)。この研究の限界として、診療報酬データの正確性が不詳であること、未知の交絡因子が残存している可能性があること(channeling バイアス、immortal time バイアスなど)、検査値が不明であることなどが挙げられます。作用機序が不明なこともあり、「実証された」のではなく「可能性が示された」程度に大きく割り引いて解釈する必要があるでしょう。機序の究明や介入研究が待ち望まれます。

なお、現時点では脂質降下薬には糖尿病網膜症予防の保険適用はなく、「糖尿病標準診療マニュアル(一般診療所・クリニック向け)第14版」5)でもその使用法は推奨されていません。

クリニック概要

診療科目
一般内科 循環器内科 呼吸器内科
所在地
〒273-0005
千葉県船橋市 本町7-6-1
船橋ツインビル東館
イトーヨーカドー入居ビル東館6階
最寄駅
JR・東武野田線「船橋駅」より徒歩約2分

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