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子宮頸癌ワクチンによるHPV感染予防効果を実証

2018年10月12日

新潟大学は10月9日、日本人女性において、子宮頸がんワクチンのヒトパピローマウイルス(HPV)16/18型感染予防に対する有効率が90%以上と高い数字を示したと発表した。この研究は、同大医歯学総合研究科榎本隆之教授、関根正幸准教授、工藤梨沙特任助教らの研究グループによるもの。研究成果は「The Journal of Infectious Diseases」に掲載された。

日本国内では、子宮頸がんによって毎年約2,700人が死亡している。子宮頸がん予防ワクチンであるHPV2価ワクチンは、子宮頸がんの60~70%の原因となるHPV16/18型の感染を予防するワクチン。日本では2009年に認可され、2010年には自治体ごとの公費接種助成が開始となり、2013年4月には国が定める定期接種ワクチン(対象:12~16歳女子、3回接種)のひとつとなった。しかし、2013年6月以降は、厚生労働省による積極的勧奨が中止され、ワクチン接種者がほぼゼロの状況が続いている。国外では、HPVワクチンのHPV16/18型感染予防に対する高い有効性と、その他の高リスク型HPVに対する交叉防御効果が報告されているが、日本国内では大規模な研究によるHPV感染予防効果はこれまでに報告されていなかった。

今回の研究は、新潟県内の主要都市において自治体の子宮頸がん検診受診者を対象とし、文書による同意を得て行われた。同研究は2014年度に開始され、HPVワクチンの公費接種世代を中心とした20代前半を対象に現在も継続している。今回は、その中間解析として2014~2016年度の3年間における20~22歳のHPV感染率について解析を実施。研究の登録者は、HPV2価ワクチン接種者1,355人(74.6%)、非接種者459人(25.4%)で、ワクチン接種者のうち1,295人(95.5%)は3回接種を完了していた。

中間解析の結果、ワクチン接種者のHPV16/18型の感染率は0.2%だったのに対し、非接種者の感染率は2.2%で、ワクチンの有効率は91.9%だった。とくに、初回性交前にワクチンを接種した群では、HPV16/18型に対する感染予防効果の有効率は93.9%とさらに上昇し、さらにHPV31/45/52型に対しても感染予防効果(有効率67.7%)を認めたという。これらの結果から、HPV2価ワクチンの直接の標的であるHPV16/18型に、HPV31/45/52型に対する交叉防御効果を加えると、日本人の子宮頸がんの80%以上をカバーできる可能性があるとしている。

研究は現在も継続しており、子宮頸部の細胞診異常や前がん病変に対する予防効果について、研究グループは引き続き検証を行う予定。さらに、2020年にはHPVワクチンの接種率が激減した世代が子宮頸がん検診の対象年齢となるため、この世代のHPV感染率と前がん病変発生率がどのように変化しているのかが注目される。

HPVワクチンの誕生から約10年が経過し、国外ではすでにHPVワクチン接種による子宮頸がん(浸潤がん)発生率の減少効果が報告され始めている。一方で、国内ではHPVワクチン接種が事実上の停止状態になってからすでに5年が経過している。研究グループは「この間に我々日本人が失った、ワクチンによる一次予防の恩恵について今一度見つめ直す必要があるかもしれない」と述べている。

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