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若年成人で慢性腎臓病による死亡者数が増加 米調査

2018年12月17日

米国では近年、心疾患とがんによる死亡は減少しているが、2002年から2016年にかけて慢性腎臓病(CKD)による死亡者数が増えていることが、米ワシントン大学セントルイス校のZiyad Al-Aly氏らの研究で明らかになった。特に20~54歳の若年層で増加が著しいことが分かった。研究の詳細は「JAMA Network Open」11月30日オンライン版に掲載された。

 この研究は、世界保健機関(WHO)などが行うGlobal Burden of Disease(世界疾病負荷)研究のデータベースを利用したもの。データベースでは米国や他の国々における80以上のリスク因子に関する情報のほか、年齢や性別ごとの350疾患の情報を提供している。Al-Aly氏らは今回、2002~2016年における年齢層別の米国のデータに注目した。

 その結果、CKD患者数は、心血管疾患やがん、肝硬変、慢性肺疾患、精神疾患、脳疾患など全ての非感染性疾患よりも急速に増加していることが明らかになった。2002年から2016年にかけて、CKDによるDALY(Disability Adjusted Life Year;障害調整生存年数)は52.6%延長していた。

 また、CKDによる死亡者数は、2002年の5万2,127人から2016年の8万2,539人へと58.3%増加していた。特に20~54歳の若い世代でCKDによる死亡者数は26.8%増加し、そのほとんどが糖尿病によるものであった。一方、55~89歳の中年期から高齢期では、この期間中にCKDによる死亡者数は25.6%増加していた。

Al-Aly氏は「自覚症状なく進行するCKDは、サイレント・エピデミック(潜在的な流行病)とも呼ばれる。今回の研究から、CKDは特に若い世代で増加していることが明らかになった。これは由々しき問題だ」と述べている。

近年、治療の進歩によりがんや心血管疾患による死亡は減少しているが、ここ20年の間に腎不全の治療に大きな進展はみられていない。また、こうしたCKD患者の増加は、糖分や塩分の多い食生活と肥満の蔓延による影響が大きいと、Al-Aly氏らは推察している。さらに、今回の研究では、米国のどの州でもCKD患者数は増加しているが、アラバマ州やジョージア州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ウェストバージニア州などの肥満率が高い州で有意に増加していることも分かった。

以上の結果を踏まえ、Al-Aly氏は「CKDの患者数の増加が他の非感染性疾患をしのいでいるという事実を踏まえると、CKDに適切に対処することは行政や公衆衛生上で重要な課題だといえる」と述べている。

クリニック概要

診療科目
一般内科 循環器内科 呼吸器内科
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