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糖尿病患者の認知機能低下に脳萎縮は影響しない?

2019年01月4日

高齢の2型糖尿病患者は記憶力や思考力が低下しやすいが、これらの認知機能の低下と脳萎縮の程度は関連しない可能性があることが、タスマニア大学(オーストラリア)のMichele Callisaya氏らが実施した研究で明らかになった。詳細は「Diabetologia」12月13日オンライン版に掲載された。

 これまでの研究で、糖尿病がない人に比べて、糖尿病患者は認知症リスクが2倍であることが示されているが、いまだ因果関係は証明されていない。そこで、Callisaya氏らは、これらの関連の背景に脳萎縮が影響するのか否かを調べるため、今回の研究を実施した。

 この研究は、4.6年の追跡期間中にMRIおよび認知機能検査を3回受けた55~90歳の認知症のない男女705人を対象としたもの。参加者のうち348人は2型糖尿病患者(平均年齢68.2歳)で、残り357人は2型糖尿病を有していなかった(同72.5歳)。

 その結果、追跡期間中に、高齢の2型糖尿病患者では言語記憶力や言語流暢性が低下していた。なお、言語記憶は単語を思い出す能力のことで、言語流暢性は思考力と計画を立てる能力を評価する指標である。これらの能力が低下すると、人の名前を忘れたり、物を見つけるのに困ったり、物事を計画したり実行するのが難しくなる可能性があるという。

また、MRI検査で評価した研究開始時点の脳容積は、2型糖尿病のない高齢者に比べて2型糖尿病患者では小さいことが分かった。しかし、追跡期間中の脳萎縮の度合いに糖尿病の有無で差はみられず、脳容積が記憶力や思考力に直接関連するというエビデンスは得られなかった。

Callisaya氏らは「今回の結果では、高齢の2型糖尿病患者における認知機能の低下は、脳萎縮の程度では説明できなかった」と結論づけている。しかし、より長期にわたり追跡すれば、これらの関連は明確になる可能性があるとした上で、「2型糖尿病は脳機能に影響するというのが、今回の研究の重要なポイントだ」と述べている。

専門家の一人で米ノースウェル・ヘルスのGisele Wolf-Klein氏は、今回の結果について、「糖尿病が認知症のリスク因子であることは疑う余地はないが、脳萎縮との関連は明らかになっていない」と指摘している。同じく専門家の米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、この意見に同意しながらも、「糖尿病患者群では体重がより重く、コレステロール値や血糖値が高かった。こうした患者背景の差が結果に影響した可能性があるのでは」との見方を示している。

また、Zonszein氏は「この研究の重要なメッセージは、認知症を予防するには、定期的な運動や健康的な食生活によって血糖とコレステロール、血圧、体重の全てのリスク因子を早期から総合的に管理する必要があるということだ」と述べている。

クリニック概要

診療科目
一般内科 循環器内科 呼吸器内科
所在地
〒273-0005
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