インフルエンザ予防接種
- ◆ インフルエンザ以外の予防接種については、お電話にてご予約下さい。
- ◆ インフルエンザ予防接種は中学1年生から受けられます。
- ◆ インフルエンザ予防接種を受ける際、13歳~15歳の方は保護者の同伴が必要となります。
令和5年度インフルエンザ予防接種
インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こります。
インフルエンザウイルスは、4種類(A型、B型、C型、D型)あり、主にヒトに流行を起こすのは、A型とB型です。感染対象は下記になります。
- ・A型はヒト以外に、ブタ・ウマなどの哺乳類、カモ・ニワトリなどの鳥類に感染
- ・B型、C型は主にヒトへのみ感染
- ・D型は家畜へのみ感染
A型インフルエンザウイルスは80~120nm(1nmは1mmの100万分の1)で、タンパク質がウイルス表面から突き出ています。A型インフルエンザウイルスには様々なタンパク質の組み合わせがあり、計144通りの亜型(サブタイプ)に分類されます。144通りの亜型は、ウイルス表面から突き出たタンパク質の中でも重要なヘマグルチニン(H1~H16の16種類)と、ノイラミニダーゼ(N1~N9の9種類)の組合わせで分類されます。
感染後に体内の免疫反応を引き起こす抗原性(抗原としての性質)は、亜型ごとに異なるため、同じ亜型のインフルエンザにかかったことがあっても、その年に流行している亜型に合致する免疫がないと再度かかります。
これらの亜型はすべて、カモなどの水禽(すいきん)から見つかっており、ヘマグルチニンH17、H18やノイラミニダーゼN10、N11はコウモリから見つかっています。
A型・B型インフルエンザは季節性の流行があり、国内では例年12月~3月に流行し、短期間で感染が拡がります。例年の国内感染者数は推定約1,000万人と言われています。
インフルエンザの症状
インフルエンザにかかった人が咳やくしゃみなどをすることにより、ウイルスが空気中に広がり、それを吸い込むことによって感染します。典型的な症状は、突然の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などで、のどの痛み、咳、鼻水などもみられます。
かぜ(普通感冒)が一般的に、さまざまなウイルスなどによって起こる病気であるのに対し、インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで起こる病気です。
かぜの諸症状(のどの痛み、鼻汁、くしゃみ、咳など)はインフルエンザにも見られますが、かぜの場合は強い全身症状はあまり無く、高熱が出て重症化することもあまりありません。
一方、38℃以上の高熱や頭痛、関節痛・筋肉痛、全身のだるさ(倦怠感)などが急速かつ同時に表れるのがインフルエンザの特徴です。小児ではまれに急性脳症を、高齢者・免疫力の低下している人は肺炎を伴うなど、重症化するケースもあります。
風邪 | インフルエンザ | |
---|---|---|
時期 | 年間を通して起こる | 冬季に流行 |
主な症状 | 上気道症状 | 全身症状 |
症状の進行 | ゆるやかに進行 | 急激に進行 |
発熱 | 通常は微熱(37~38℃) | 高熱(38℃以上) |
悪寒 | 軽い | 強い |
発熱以外の主症状 | ・くしゃみ ・喉の痛み ・鼻水、鼻詰まりなど |
・せき、鼻水 ・のどの痛み ・全身の倦怠感 ・食欲不振 ・関節痛、筋肉痛、頭痛等 |
原因ウイルス | ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなど | インフルエンザウイルス |
インフルエンザの予防法
予防の基本はワクチン接種を受けることで、インフルエンザにかかってしまった場合の重症化防止の方法としても有効とされています。また、インフルエンザは、インフルエンザにかかった方の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫と共に放出されたウイルスを鼻腔や気管など気道に吸入することによって感染するため、インフルエンザが流行してきたら、人混みや繁華街への外出を控えることが大切です。特に、高齢者の方や慢性疾患を持っている方、疲れていたり睡眠不足の方は注意が必要です。
インフルエンザの予防チェック
下記にチェック項目があります。チェックが多いほどインフルエンザにかかりやすい状態と言えますので、ご自身の状況を是非振り返ってみてください。
- □ 予防接種を受けていない
- □ 周りにインフルエンザにかかった方がいる
- □ 帰宅時に手洗いをしない
- □ 不特定多数の方に会う機会が多い
- □ 忙しくて疲れている
- □ 睡眠不足が続いている
インフルエンザ予防接種の有効性
インフルエンザワクチンは、接種してから効果が出るまで約2週間かかり、その効果は約5ヶ月間持続します。 毎年の流行期間が12月~3月ですので、早めに接種されますと効果的です。
成人の場合、予防効果は1回接種だと64%、2回接種だと94%とされています。
1回接種でも抵抗力は付きますが、2回接種することでより抵抗力を付けられます。
12歳以下の子供は、成人と比較してインフルエンザへの免疫力が少ない可能性が高く、2回の接種を受けるのが望ましいです。
受験生や仕事を休めない方、喘息など気管支に持病のある方も、2回接種の方が確実です。
また、65歳以上の方は免疫力が落ちているため、やはり2回受けられるのが望ましいです。
2回目の接種は1回目から1~4週の間隔で行う事が多いですが、4週に近い方が効果は得られやすいので、3週間程度あけるのが良いとされます。
インフルエンザ予防接種の副作用について
接種後注射の跡が、赤みを帯びたり、腫れたり、痛んだりすることがありますが、通常2~3日のうちに治ります。 また、発熱、寒気、頭痛、全身のだるさなどの症状がみられることもありますが、通常2~3日のうちに治ります。
※ 接種後数日から2週間以内に発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害の症状が現れる等の報告があります。 非常にまれですが、ショックやじんましん、呼吸困難などが現れることがあります。 尚、副作用のご経験のある方やご不安などおありの方は、船橋駅前内科クリニックまでご相談ください。
授乳中のインフルエンザワクチン接種について
授乳婦がインフルエンザワクチンを接種しても支障ありません。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、病原性をなくしたウイルス成分を使用しているため、母乳を通じて子どもに影響を与えることはありません。
また、母親がワクチン接種をしても、母乳を通じて乳児に予防効果を与えることもできません。
接種料金について
1回 4,000円(税込)
尚、2019年10月より消費増税のため、接種費用にも変更がございます。
当院でのインフルエンザ予防接種の特徴
船橋駅前内科クリニックではインフルエンザ予防接種を行う際、太さ30ゲージの細い針を使用することで痛みを少しでも軽減させようとしております。痛みが嫌いで予防接種を避けていた方もお任せ下さい。
注射が苦手なお子様の予防接種もお任せ下さい
大人の方でも苦手な方が多いのが注射。お子様なら尚更です。人間の皮膚の痛点は、お子様は間隔が狭く、注射を打つと当たる痛点の数が多いため、大人の方より痛いと感じてしまうのです。注射の痛みには大きく分けて3つが挙げられます。
- 1.針を刺す時の痛み
- 2.液を入れる時の痛み
- 3.針を抜く時の痛み
これらのポイントに細心の注意を払い、痛みを軽減できるよう努めています。また、実は予防接種の痛みは、皮膚をボールペンで押した時とほとんど変わらない程度と言われています。お子様にとって、注射は痛いものという先入観があったり、赤ちゃんの頃に感じた恐怖の記憶が甦り、それに伴って痛みも感じてしまうというのが実情です。即ち、お子様の注意をうまくそらしながらそっと注射をしてしまうタイミングが、痛みを軽減できる予防接種のポイントだと思います。
※お子様の予防接種は、中学1年生以上のお子様を対象とさせて頂いております。
インフルエンザにかかってしまった場合
いわゆる「風邪薬」と言われるものは、発熱や鼻汁、鼻づまりなどの症状をやわらげることはできますが、インフルエンザウイルスや細菌に直接効くものではありません。単なる風邪だと軽く考えずに、早めに受診するようにして下さい。
◇ 当院での検査について
当院では、インフルエンザウイルスに感染後24時間以上経過していれば、90%以上の感度で検査可能な迅速診断キットを導入しております。
◇ 当院での治療について
これまで、インフルエンザの治療薬と言えば「タミフル」や「リレンザ」が主流でしたが、当院では「ラピアクタ」と「イナビル」という、インフルエンザ治療における非常に効果的な新薬を導入しております。
- ラピアクタ(点滴)
- 1回でタミフル5日分の治療効果がある新薬です。治療が1回で済み、お薬の飲み忘れや気分が悪く服用できないといったことを防げます。
- イナビル(吸入)
- 粉末状になった薬を口から吸入します。1回だけの吸入で治療が終了します。従来から使われている吸入薬リレンザは、1日2回×5日間の吸入が必要でしたが、イナビルは1回吸入するだけで、これと同じ効果が得られる点が特徴です。
- ゾフルーザ(錠剤)
- ゾフルーザは従来のお薬とは、作用が全く異なります。
従来のインフルエンザ治療薬は、ノイラミニダーゼ阻害薬と呼ばれる種類で、感染者の細胞内のインフルエンザウイルスを他の細胞に広がらないよう抑制する作用がありました。
ゾフルーザは、ウイルスの増殖自体を抑える効果があり、より早く効果が表れるとされています。内服は1回のみで、数日に渡り複数回服用する必要がありません。
家族がインフルエンザにかかってしまった場合
ご家族がインフルエンザにかかった際は、家庭内感染を防ぐことが大切になります。
ご家庭の患者さんを見守る際、もしインフルエンザの治療を受けた後でも下記の症状がある場合は、すぐに受診するようにしてください。
また、いつもと様子が違ったり、気がかりなことがある場合なども医師にご相談ください。
小児の場合
- ・手足を突っ張ったり、がくがくする。眼が上を向くなど、けいれんの症状が出る
- ・ぼんやりしている、呼んでも返事をしない、寝てばかりいるなどの意識障害の症状がある
- ・いつもと違う異常な言動が見られる(意味不明な発言、走り回るなど)
- ・顔色が優れない(土気色、青白い)、唇が紫色になっている
- ・呼吸が速い(目安:1分間 / 60回以上)、息苦しそうな様子をしている
- ・肩で呼吸する、全身を使って呼吸する様子を見せる
- ・息苦しさ、胸の痛みを訴える
- ・水分が摂れず、半日以上おしっこが出ていない
- ・嘔吐や下痢が頻回
- ・元気がなく、ぐったりしている
成人の場合
- ・呼吸困難、息切れすることがある
- ・胸の痛みが続いている
- ・嘔吐、下痢が続いている
- ・発熱が3日以上続いている
- ・症状が長引き悪化してきた
重症化、合併症について
インフルエンザの合併症には、下記が挙げられます。
特に肺炎と脳症は急に重症化する恐れがあります。
- ・中耳炎
- ・副鼻腔炎(ちくのう症)
- ・気管支炎
- ・肺炎
- ・脳症
- ・ライ症候群
- ・心筋炎
など
インフルエンザが重症化し、合併症のリスクが高い層をハイリスク群と呼び、下記のような何らかの慢性的な病気を持っている方が該当します。
該当する方は、元々の病気が悪化すしないようにも注意する必要があります。
- ・慢性肺疾患(喘息、COPDなど)
- ・免疫不全状態(自己免疫疾患やステロイド内服中など)
- ・慢性心疾患
- ・糖尿病
- ・慢性腎疾患
- ・慢性肝疾患
- ・血液疾患
- ・神経筋疾患
- ・癌治療中の方
など
また、乳幼児、妊婦や出産直後の女性、高齢者、介護施設に入っている方、著しい肥満の方も重症化のリスクが高いと言われています。
インフルエンザ脳症の症状が見られた場合
インフルエンザ脳症は、インフルエンザの発症後に急に病状が悪化する病気で、5歳以下(特に2歳以下)の小児がかかります。インフルエンザ脳症は年間200~300人ほど発生し、場合によっては死に至るケースもあります。
インフルエンザ症状だけでなく、呼びかけに答えないなどの意識障害、意味不明な言動、持続するけいれん等の症状が出ます。このような症状が見られる場合は速やかに受診してください。
いくつかの強い解熱剤によってインフルエンザ脳症が重症化するケースもあるため、解熱剤の使用については医師にご相談ください。
異常言動・行動の具体例
- ・両親がわからない、いない人がいると言うなど、他者を正しく認識できない状態
- ・自分の手や指を噛むなど、食べ物とそうでないものの区別ができない
- ・幻視・幻覚的訴え(アニメのキャラクター・象・ライオンなどが見える等)をする
- ・意味不明なことを言う、ろれつがまわらない
- ・おびえ、恐怖感の訴え
- ・突然怒りだす、泣き出す、大声で歌い出す
異常言動・行動への対策について
異常行動が見られる際は、転落事故などを防ぐため、次のような対策を講じることが重要です。
- ・玄関、全ての部屋の窓を確実に施錠する(内鍵、チェーンロック、補助錠がある場合は、活用すること)
- ・格子付の窓の部屋がある場合、その部屋で寝かせる
- ・ベランダに面していない部屋で寝かせる
- ・一戸建ての場合は、1階で寝かせる
インフルエンザ肺炎の症状が見られた場合
ひとつは、インフルエンザウイルス自体によるウイルス性肺炎であり、もう一方が細菌性肺炎です。子どもの場合は、細菌による肺炎よりもウイルスが直に入ることで肺炎を起こすケースがあります。
高齢者と比較するとはるかに少ないですが、症状については悪化防止のためにしっかり観察する事が大切です。
一方、細菌性肺炎は高齢者やハイリスク群に多く発症します。
高齢者の場合は、インフルエンザにかかっても高熱が出にくい傾向があります。
そのため気が付きにくいのですが、微熱が数日続いたり、咳が長引く時は肺炎を疑った方が良いでしょう。呼吸が浅く荒い、たんがからまる等も肺炎を疑うポイントになります。
クリニック概要
船橋駅前内科クリニック
- 院長
- 篠田 暁与
・日本内科学会総合内科専門医
・日本抗加齢医学会専門医
・日本禁煙学会指導者 他 - 診療科目
- 一般内科 循環器内科 呼吸器内科
糖尿病内科 内分泌内科 - 所在地
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