循環器疾患についての豆知識 | 船橋市の内科・循環器内科なら、船橋駅前内科クリニック｜女医

循環器の病気はどのくらい多いのかご存じでしょうか？
欧米では死因の1位はがんではなく循環器系疾患です。日本もすでに食生活の欧米化が始まって久しいため、循環器系疾患は増加しています。悪性腫瘍は少し減り始めていますので、近い将来同じ程度になっていってもおかしくはありません。

急な痛みへの知識も重要です。
急に胸に痛みや苦しさを覚えて冷や汗が止まらないなど命にかかわるような異常を感じる場合には、心筋梗塞で血管が完全に詰まっていること等が考えられます。
このようなときに感じる痛みは、心臓に向かって出ている神経と、肩や腕に向かって出ている神経の出口が同じであるため、脳が勘違いをして肩や腕の痛みであると誤認することがあります。これは放散痛や関連痛と呼ばれ、心臓に問題がある場合の診断に役立ちます（患者さんはよく胸と肩、あるいは胸と首や歯が痛むと仰います）。

次に血圧との関係をご紹介いたします。
心臓そのものの専門医というのは、一般の方にはなじみが薄いところがあります。おそらく一般の方にとって、循環器領域でもっともなじみ深いのは血圧やコレステロールの問題でしょう。血圧やコレステロールが高ければ血管の老化につながります。血管は弾力性のある状態がよいのですが、血圧が高いと血管が目一杯膨れ上がっているのですぐに傷んでしまいますし、運動してもあまり緩まないため、弾力性も失われていきます。このような状態を避けるために血圧を下げる必要があります。
また、コレステロールが高いということは、血中にあるコレステロールを血管が取り込んでしまうことにつながります。たまっていたコレステロールの塊がはじけるとそこに血液が集まって血栓ができます。この血栓が詰まることで心筋梗塞を引き起こします。血圧の問題もコレステロールの問題も、それ自体は病気とは言えませんが、心筋梗塞や脳血栓の原因となるため、予防する上で非常に重要です。