アレルギーあれこれ | 船橋市の内科・循環器内科なら、船橋駅前内科クリニック｜女医

アレルギー性鼻炎で複数のアレルゲンを特定する理由は？
春先に花粉症の症状があるとスギ・ヒノキ花粉症であると自己診断をしてしまう患者さんも多く見られます。
しかし、「自分はスギ花粉症である」と判断した患者さんのうち、 約60％はスギに加えカモガヤなど他のアレルゲンに注意が必要であり、 約20％は他のアレルゲンが原因と考えられるケースが見られた報告もあります1)。
このようにアレルギー性鼻炎の原因には季節性や通年性など年間を通して様々な原因アレルゲンがあります。 複数のアレルゲンを特定することにより、患者さん一人ひとりに合わせたきめ細やかな治療方針を立てることができます。
また、原因の特定は、アレルギー性鼻炎の根治が望める舌下免疫療法の選択の検討など、 患者さんに合った治療法の選択肢の検討にも有用です。
花粉症の増加にともなって、食物アレルギーの特殊型の1つである口腔アレルギー症候群 (OAS) が増加傾向にあります。
この季節に果物や野菜を食べて口や喉がイガイガする患者さんはカバノキ科花粉症 (ハンノキ・シラカンバ) に合併するOASかもしれません。

昆虫アレルゲン (ガ・ゴキブリ・ユスリカ) がアレルギー性鼻炎の原因になるの？
アレルギー性鼻炎、気管支喘息において、ダニ、スギ、カモガヤに次いで、 ガ、ゴキブリ、ユスリカという順位で特異的IgE検査における陽性率が高くなります

OAS (口腔アレルギー症候群) は、ある特定の果物や野菜などを食べることにより 口・唇・喉などの口腔粘膜やその周辺組織にイガイガ感などの アレルギー症状を起こすことを総称していいます。
OASの多くは花粉症に合併します。 原因は花粉症の原因物質と似た物質が 果物等の食物中に含まれているからと言われています。
アレルゲン特異的免疫療法とスギ花粉症における舌下免疫療法について
2014年10月よりスギ花粉症における舌下免疫療法薬が発売になりました。
毎年花粉症で辛い思いをされている患者さんにとっては 根治の可能性を秘めた舌下免疫療法に対する期待は高いようです。
アレルゲン特異的免疫療法とは？
アレルゲン特異的免疫療法とは、 アレルギー疾患の原因アレルゲンを少しずつ増量しながら投与していくことにより、 アレルゲンに曝露されたときに引き起こされる関連症状を緩和する治療法です。

アレルゲン特異的免疫療法には、注射による皮下免疫療法 (SCIT) と舌下免疫療法 (SLIT) があります。 SCITもSLITも微量のアレルゲンを摂取し体をアレルゲンに慣らしていく治療法なので、 アナフィラキシーなど副作用に対して適切な判断と対応が求められることに変わりはありませんが、 一般的にSLITの方がアナフィラキシーなど全身性の副作用リスクは少ないと言われています。
スギ花粉症における舌下免疫療法の対象者

SLITの対象者は以下のとおりです。
12歳以上
特異的IgE抗体が病態に関与している症例を対象とする
軽症から重症まで治療対象となり得る
「スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き」によれば 「複数アレルゲン感作の場合のSLITの方法論は確立していない」と記載されています。
また治療開始時期については、スギ花粉飛散時期に開始しないこととされています。